本当の自由を手に入れる お金の大学 両@リベ大学長 要約

 

本当の自由を手に入れるお金の大学

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【必読ポイント!】STEP0 経済的に自由になるための基本

お金持ちの大原則

本書の目標は、経済的自由を達成することだ。著者の考える経済的自由とは「生活費<資産所得」という状態だ。そして、生活費<資産所得を達成するには、「生活費を下げる」「資産所得を増やす」という2つの取り組みを実践していくことになる。

所得には、自分が働くことによって得られる労働所得と、資産を働かせて得られる資産所得の2種類がある。経済的自由を達成するために重要なのは、資産所得を増やしていくことだ。労働をしなくても月に1万円が入れば、水道・光熱費が払える。月に3万円が入れば食費が払える。このように、資産所得で生活費をまかなうことができれば、生活のためのお金を気にせずに、やりたいことに専念できる。働きたければ働く、働きたくなければ働かないという選択の自由を手に入れることができるのだ。

これを実現するためには、「お金にまつわる5つの力」をバランスよく育てていく必要がある。5つの力とは、お金を「貯める力」「稼ぐ力」「増やす力」「守る力」「使う力」だ。これらを鍛えることで、家計が健全に回り、豊かに暮らせるようになるのだと著者はいう。要約ではこの内、最初の3ステップである「貯める力」「稼ぐ力」「増やす力」を紹介する。

 

STEP1 お金を《貯める》

人生の6大固定費

まずは「貯める力」を身につけることで、資産を貯めるスピードをアップさせよう。

お金を貯めるためには、「1回の支出よりも固定費を見直す」「金額が大きな支出から見直す」の2点に注意したい。金額の大きい固定費は、一度見直せば節約効果が持続し、生活費を効率よく下げることができる。人生の6大固定費は、「通信費」「光熱費」「保険」「家」「車」「税金」だ。

ここでは6つの中でも大物とされる「保険」と「家」を順に見ていこう。

保険を正しく見直そう

日本では社会保険が充実しているが、多くの人が民間の保険にも加入している。生命保険文化センターの調査では、生命保険料だけで、1世帯あたり年間38.2万円、30年間で1200万円弱もの金額を支払っているそうだ。

本書は、「起こる確率」と「起きたときの損失」という視点から、入るべき保険を見極めるべきだと指摘している。起こる確率にかかわらず、起きたときの損失が少ないものであれば、貯金でまかなうことができる。たとえば、30歳の男性が40歳までにがんになる確率は0.6%と低確率であり、約6割の人が50〜100万円の出費で済んでいる。高額ではあるが、100万円程度の貯金があれば、生活が破綻するほどの大損失にはならない。

一方、40歳の男性が死亡する確率は0.1%とさらに低確率であるが、この人の年収が500万円だと仮定すれば、定年退職までに稼げたはずの1.25億円の損失になる。残された家族の経済的損失は大きく、生活が破綻する可能性もある。保険とは、起こる確率は小さいが、起こった場合に損失が大きな事象に備えるものだ。起こる確率が高く、損失が大きいものは、そもそも保険という仕組みが成り立たない。この考え方にしたがうと、必要な民間保険は死亡・火災・自動車保険の3つということになる。

これ以外に想定されるリスクが思い浮かび、不安になった方もいるかもしれない。そうした漠然とした不安は、じつは「社会保険」でカバーされているものが多い。

「皆保険」の国である日本は、生活の土台がひっくり返ってしまうようなリスクについては、社会保険で最低限保障されている。リスク対応の基本戦略は、社会保険を使い、それでカバーできない分を民間保険で補うことだ。

手厚い「社会保険」のカバー範囲

正しくリスクを見積もるために、社会保険でカバーされている範囲を確認していこう。

病気、ケガのリスクは、健康保険(自営業者は国民健康保険)でカバーすることができる。医療費は原則3割負担であり、さらに自己負担に上限が設けられている。自己負担額が高額になった場合には「高額療養費制度」が適用され、後から払い戻しを受けられる。このおかげで、多く見積もっても貯金が100万円ほどあれば、医療費が払えなくなるということは考えにくい。さらに、病気やケガで働けなくなっても、1年6ヶ月は健康保険の「傷病手当金」での保障が受けられる。病気やケガで生活や仕事が制限される期間が1年6ヶ月以上に及んだ場合は、条件を満たせば「障害年金」を受給することができる。

国民年金」や「厚生年金」の加入者が死亡すると、遺族には「遺族年金」が支給される。この金額は家族構成や雇用形態、給与水準によって変化する。自分の遺族年金の金額をふまえたうえで、足りない分を生命保険で補うという視点で見直してみよう。

失業時には、雇用保険の「失業給付」が頼りになる。被保険者期間が離職の日以前2年間に通算12ヶ月以上あり、働く意思と能力があるにもかかわらず就業に就くことができない状態にあることが認められれば、90〜360日の間給付を受けることができる。

年金制度の仕組みを知ると、老後のリスクについての不安も軽減するだろう。公的年金の財源は、「現役世代からの保険料」「税金等」「積立金」の3つである。「税金制度は破綻する」という言説もあるが、人口減少を見越して170兆円もの積立金が運用されており、当面は破綻するとは考えにくい。また、「払い損」と言われることのある受給額についても、10年受給すれば元がとれる計算になり、平均寿命から考えれば払い損になる可能性の方が低い。老後は、公的年金+個人資産で生活することを想定しておこう。

家のリセールバリューを考えよう

続いては大物固定費の代表格である「家賃」について見直そう。「賃貸かマイホームか」という定番の議論について、本書の結論は、「リセールバリューの高い家を買えるならマイホームがお得だが、選ぶ自信がない人は賃貸が得」である。リセールバリューとは、「売却時の金額」のことだ。購入時と同等かそれ以上の金額で売却できる家を購入できるのであれば、経済的自由に近づくことができる。

しかし、現実的には不動産の素人にリセールバリューの高い家を購入することはほぼ不可能だ。日本は「人口減少・空き家増加・地価減少」の状態であり、基本的に資本価値の上昇は見込めない。一等地はすでに資産家が保有しており、手放すことはないだろう。加えて、たまに出る優良な物件は、不動産投資上級者や資産家が優先的に手に入れるため、素人が良い物件に巡り合うのはほぼ不可能なのだ。

マイホームのほとんどは購入後にすぐに負債となり、資産価値の増加は見込めない。心を豊かにするための贅沢だと割り切って購入するのであれば、その選択は「あり」だ。しかし、経済的自由を目指すという意味では大きな足かせとなるのが現実だ。家の出費を抑えたい人にとっての王道は、やはり「賃貸に住む」という選択だ。

STEP2 お金を《稼ぐ》 

転職で給与所得を増やす

貯める力を身につけて支出を減らせたら、次は稼ぐ力を高めよう。「収入パワー」が足りない段階では、小さな資産しか買うことができず、資産所得で効率的にお金を増やすことができない。まずは稼ぐ力を伸ばして、労働所得を増やすことが先決だ。

労働所得は、お給料としてもらえる給与所得と、自分の事業から得られる事業所得の2つに分けられる。給与所得が増えると、その分税金の負担も大きくなる。そのため、給与所得だけで入ってくるお金を増やそうとするのは現実的ではない。まずは給与所得で生活基盤を固めて、副業で事業所得をつくることを検討しよう。

給与所得自体が十分でないと感じている場合は、転職を検討するのもひとつの手だ。スキルがある人であれば、転職によって昇給よりも早く年収アップを狙える可能性がある。転職活動をしても、必ず転職しなければいけないわけではない。転職活動を通して、「自分の市場価値」を把握することも有効だ。

副業で事業所得を生み出す

次に、労働所得の2つめ、事業所得を得るために副業を始めてみよう。最初の一歩としては、メルカリやヤフオク!などで不要な物を売ることから始めよう。ここには、「需要と供給を調べる」「価格設定をする」「顧客とやりとりする」という商売の基本がつまっている。そして、たとえ少額でも「自分の力で稼ぐ喜び」を知ることができる。そこから、「どうしたらもっと儲かるか」「効率よく稼ぐにはどうしたらいいか」といったビジネスセンスにつながる気づきが得られるはずだ。

稼ぐ力を鍛える準備として、SNSでの情報発信もおすすめだ。SNSをやるメリットは「情報感度が高くなる」「伝える力・発信力が鍛えられる」「副業や転職をする上で有利」の3つが挙げられる。自ら発信することで発信力が鍛えられると同時に、様々な情報に触れる機会が増す。さらに、SNSで発信したことがそのまま名刺代わりにもなる。つまり、発信内容から自身の「人となり」が伝わるため、自分がどのような人間で、どのような経験を積み、どのような価値観を持っているかをアピールすることができるのだ。

小さな副業とSNSの活用が進んだら、次は将来性の高い副業へとステップアップしよう。ここで押さえておきたいポイントが、フロー型とストック型のビジネスの違いだ。自分がやった分だけすぐお金になるのがフロー型、お金を得るまでに時間がかかるが、自分が動かなくても収入源になるのがストック型だ。たとえば、同じウェブライティングであっても、記事作成の請負はフロー型、ブログ運営はストック型に該当する。自分の目的に合った形態を選んでいこう。

STEP3 お金を《増やす》 

「お金のなる木」を購入しよう

「貯める」力と「稼ぐ」力が身についたら、次はいよいよ資産所得によってお金を増やす力を育てよう。つまり、投資によって「お金のなる木」を購入し、労働をしなくても収入を得る仕組みを構築するということだ。代表的な投資商品は大きく分けて「株式」「債券」「不動産」「コモディティ(商品)」「預金」の5つある。ここでは株式や債権を含めた「ファンド」について取り上げる。

初心者におすすめなのは「投資信託(ファンド)」だ。投資信託とは「たくさんの投資家から集めたお金をまとめ、運用の専門家が代わりに投資・運用する商品」のことだ。運用をプロに任せられ、少額からでも購入することができる。

ファンドには、値動きを表す「指数」と連動しているインデックスファンドと、指数に勝とうとするアクティブファンドがある。ほとんどのアクティブファンドよりもインデックスファンドの方が成績が良いことから、本書でのおすすめはインデックスファンドだ。

著者のお気に入りは「S&P500」という指数に連動したインデックスファンドだ。S&P500とは、アメリカで時価総額の大きい主要500社の株価を基に算出される「株価指数」だ。日本株は1990年以降上下を繰り返しているが、アメリカ株は1880年以降長期的には上昇を続けている。また、アメリカは途上国なみに人口増加が続いている唯一の先進国でもある。そして、金融法制が整っており、世界を変えるイノベーションが生まれてきた国でもある。今後もアメリカの株式市場の成長が期待できるといえるだろう。

  • 要点1
     経済的自由とは、生活費を資産所得が上回る状態を達成することだ。生活費を下げ、資産所得を増やすには「お金にまつわる5つの力」をバランスよく育てる必要がある。
  • 要点2
     人生の6大固定費を見直すことで、お金を「貯める力」を身につけることができる。
  • 要点3
     お金を「稼ぐ力」で特に重要となるのが、自分の事業でお金をもらう「事業所得」を増やすための副業だ。
  • 要点4
     「稼ぐ力」を鍛えて得たお金で、「お金のなる木」を購入して「増やす力」を手に入れよう。初心者へのおすすめは経済指数に連動したインデックスファンドだ。
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